自治体・家族からのサポートを活用する

 

不妊治療には高額な費用がかかるため、国や地方公共団体で助成制度が用意されています。内容自体は、どの地域もそれほど変わらないのですが、住んでいる自治体によっては、手厚い助成金がもらえる可能性があります。

 

自治体の助成金制度を活用しよう

助成制度の種類はいくつかあるのですが、特定不妊治療(体外受精や顕微受精など)と一般不妊治療(タイミング法や人工授精など)のどちらにおいても、条件を満たせば、自治体から助成金をもらうことができます。

 

条件に関しては、自治体ごとに違いはあるのですが、一般的には、夫婦のどちらかが、その自治体に住んでいること、治療開始時に法律上の婚姻をしていることが、必須要件となります。

 

また、妊娠するためには、治療が必要であると医師が診断していること、指定医療機関での治療であること、そして女性の年齢の上限なども、条件となってきます。

 

助成金額、助成回数、申請期限、所得制限についても、自治体によって差があるので、個々に確認してみてください。近年、少しずつですが、いくつかの自治体が助成の内容を拡充しており、男性不妊の治療費についても、助成金がもらえるようになってきています。

 

このように、日々、助成内容が向上されており、ほんの少し待つだけでも大きく助成金が変わる可能性もあるので、治療を始める前に、助成制度について役所に詳しく教えてもらうことをオススメします。

 

(今だけのことではなく、今後の予定についても聞いてみてください。)

 

ただし、前述したように、助成金の支給については女性側の年齢制限があります。支給対象となる年齢の上限もそうですが、42歳までに治療を開始していること、といった治療開始時の年齢も上限が決められていることが、ほとんどです。

 

この上限に近い年齢の人で助成金をもらおうと考えているのであれば、治療開始を急ぐ必要がありますので、特に対象となる年齢については、しっかりと確認するようにしてみてください。

 

特に、不妊症の診断のため、医師が必要と認める一連の不妊検査費用における助成金に関しては、先述の42歳より年齢制限が厳しくなり、妻の年齢が35歳未満とされているケースが大半なので、早めの行動が必須です。

 

最近、この助成制度に一般不妊治療のサポートも含める自治体が増えてきているので、年齢的に間に合うのであれば、使わない手はありません。

 

なお、助成金申請には、夫婦であることの証明となる戸籍謄本や、住んでいる自治体が分かる住民票、医師の診断書、市民税証明、治療費の領収書などが必要ですし、書類に記入をして役所に提出しないといけないので、面倒だと感じるかもしれません。

 

とはいえ、助成金額については、一回の治療につき15万円を上限として、支給するという自治体が多くなっていますし、なかには上限を30万円とする自治体もあります。本当に家計を助けてくれるので、ぜひ利用してください。

 

助成金を少しでもお得にもらうコツ

この助成金というのは、費用を一括で請求することも出来れば、細かく分割して、請求することも出来ます。

 

たとえば、体外受精の場合、採卵から移植までを1回として、すべて終えてから最後にまとめてもらうことも出来れば、採卵で1回、移植で1回、といったふうに段階ごとに分けて、もらうことも出来るということです。

 

どちらでも、支給額自体は変わりませんが、一括での申請となると、事前に用意しておかなければいけないお金が、それだけ増えるので、金銭的負担を軽くするという意味では、分割のほうがオススメです。

 

(私たちは採卵と移植を、どちらも1回ずつ行なったのですが、それぞれに分けて申請をして、合計で約40万円程度の助成金をもらいました。)

 

ただし、助成金を申請出来る回数には上限がありますし、治療内容ごとに金額も変わります。(ちなみに、移植だけよりも、採卵も行った時のほうが、もらえる金額が多くなるという自治体が、ほとんどです。)

 

もし、体外受精をしてもなかなか妊娠できず、何度も採卵をしなければならなくなる場合などには、まとめて請求したほうが、最終的には得すると思います。そのかわり、少ない回数で妊娠できた場合には、分けて申請したほうがお得ということになります。

 

そのあたりは実際やってみないと分からないことなので、難しいところではありますが、家計と相談しつつ、どう申請するのがベストなのか、色々と考えてみてください。

 

自治体・家族からのサポートを活用する

医療費控除も活用しよう

助成金以外で、活用出来る制度としては、医療費控除があります。

 

不妊治療は多額のお金がかかるため、利用できる可能性が高くなっています。この制度は、その年に払った医療費が一定額(10万円のケースが多い)を超える場合に申請すると、所得控除や住民税の減税を行なってもらえるというものです。

 

対象となる費用に関しては、医療費や薬はもちろんのこと、交通費(タクシーは妥当とみなされるだけの理由が必要)、マッサージ代(医師が必要とみなしたもののみ)なども含まれます。

 

生計を一にする配偶者や親族であれば、医療費をまとめることができます。一般的には、夫婦の中の所得の大きいほうで、申請したほうが得なので、私たちはボーミーの名義で、申請を行ないました。

 

申請方法については、確定申告で行うので難しいと感じるかもしれませんが、税務署に聞けば詳しく教えてもらえますし、平成29年分からは、提出書類などが簡略化されたので、比較的簡単に申請することができます

 

ちなみに、確定申告に便利なのが、インターネットを使って電子申請出来るe-Taxというシステムです。

 

マイナンバーと専用のカードリーダーが必要となりますが、家のパソコンで確定申告をすることができますし、分からない時は、電話で質問すれば丁寧に教えてもらえるので、私たちはこれを使っています。

 

e-Taxを利用した場合のもう一つの利点としては、オマケ程度なのですが、窓口申請より還付金が早く戻るので、不妊治療や出産準備のお金として使うことができます。

 

なお、医療費控除は申告期限が5年となり、過去の分も遡って申請可能となっているので、忘れていた人は、是非申請してみてください。

 

家族からのサポートに頼る

このように、自治体からの助成金や医療費控除は非常に助かる制度ではありますが、そうはいっても、これらだけですべての費用がまかなえるわけではなく、自己負担で、多額の金額を支払うことになるケースがほとんどです。

 

また、助成金は、申請に関わる全ての治療が終えて、その支払いを済ませてから申請をすることになるので、実際に助成金をもらえるのは、数か月後となります。そのため、いったんは自分たちですべての費用を支払わなければなりません。

 

もし、その支払いが厳しいのであれば、両親や祖父母、親戚などから、助成金分だけでも借りるというのもアリです。お金を借りるので、しっかりと事情を話す必要がありますし、助成金が支払われた後に、お金を返すということを伝えることで、貸してもらえる可能性が上がります。

 

ちなみに、不妊治療にかかる費用を両親や祖父母から贈与してもらう場合、非課税で贈与を受けることができます

 

これは、平成27年に施行された結婚・子育て資金贈与特例によるもので、この特例は、子供1人当たりにつき1千万円までの贈与が非課税となるものです。

 

名称は子育て資金となっていますが、不妊治療にかかる費用というのも、これに含まれているため、両親や祖父母から金銭面でサポートを受ける場合には、この制度を活用するのも良いと思います。

 

ただし、この制度を活用するためには、金融機関に信託するなど、いくつかの手続きが必要となるので、その手続きなどが少々面倒であるといった大変さはあります。

 

もちろん、それぞれの家庭の事情もありますし、すべての人が家族から、そのようなサポートを受けられるわけではありませんが、運よくサポートが受けられるような環境であれば、悩まず支えてもらってください。

 

ちなみに、この結婚・子育て資金贈与特例は、平成31年までの限定措置となっていますが、個人的な意見としては、政府は少子化を止めたいので、今後もこの制度は続くのではないかと考えています。

 

また、経済的な理由から不妊治療を諦めるケースが多いので、その現状を打破するために、これからも国や自治体が、不妊に悩む人々の手助けとなる制度を用意してくれればいいなぁと、思います。